
ノンクラスプデンチャーとは?
ノンクラスプデンチャーは、従来の部分入れ歯に見られる「クラスプ」と呼ばれる金属製の金具を使用しない部分入れ歯です。
従来の保険適用の入れ歯は、人工歯・歯茎の上に乗るピンク色の床(しょう)・そして金属のクラスプの3つで構成されています。
このクラスプが残っている歯に引っかかることで、入れ歯を固定する仕組みです。
しかし、このクラスプが口を開けた際に見えてしまうことが、多くの患者様の悩みとなっていました。
ノンクラスプデンチャーは、クラスプを無くした代わりに、床の範囲を広げて歯茎と歯を覆うことで固定します。
床は歯茎と似た色と見た目をしているため、周りから見て目立つことがありません。
ノンクラスプデンチャーの素材
ノンクラスプデンチャーには、特殊なナイロン樹脂や熱可塑性樹脂などの柔軟性のある素材が使用されます。
この素材は、天然の歯や歯肉に調和する色合いや形状を持つため、
口元の見た目を自然に保ちながら義歯の機能を果たします。
柔軟な樹脂素材が歯肉に沿ってフィットするため、装着時の圧迫感や痛みが軽減されるのも特徴です。
ノンクラスプデンチャーのメリット
ノンクラスプデンチャーには、従来の入れ歯にはない多くのメリットがあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
審美性が高く目立ちにくい
ノンクラスプデンチャーの最大のメリットは、審美性の高さです。
金属のクラスプがないため、装着時に外見から義歯がほとんど見えません。
特に前歯にクラスプをかける必要がある場合、この差は大きいです。
笑顔を自然に保つことができるため、審美性を求める患者様には人気があります。
入れ歯を装着している状態で口を開けても目立ちにくいため、自然な見た目を保てます。
人前で自信を持って笑ったり話したりできる点が魅力です。
当院では、患者様お一人おひとりの歯茎の色に合わせて、より自然な仕上がりになるよう調整しています。
金属アレルギーの心配がない
金属をほとんど使用しないため、金属アレルギーの方でも安心して使用できる入れ歯です。
従来の保険適用の部分入れ歯では、金属製のクラスプを使用するケースが一般的で、アレルギーのリスクが伴います。
しかし、ノンクラスプデンチャーは樹脂を用いて歯を支えるため、アレルギーの心配がありません。
ただし、一般的なノンクラスプデンチャーでも、入れ歯が沈み込まないように「レスト」と呼ばれるストッパーが組み込まれており、
こちらは金属製の場合があります。完全に金属を避けたい場合は、事前に確認することが大切です。
快適な装着感
金属を使用しないため、従来の部分入れ歯に比べて装着時の違和感や痛みを軽減できます。
薄くて柔軟な樹脂素材を使用しており、金属の留め具がないため、口の中にぴったりとフィットします。
そのため、装着感が向上し、長時間使用しても痛みが少ないのが特徴です。
クラスプを用いた義歯に比べて、金属部分が少なく、口腔内に異物感を感じにくいという点が挙げられます。
柔軟性と耐久性
ノンクラスプデンチャーは、柔軟な樹脂素材で作られているため、
従来の硬い金属製の義歯に比べて衝撃に強く、破損しにくいという利点もあります。
適度な柔軟性があることで、食事や会話の際に発生する衝撃を吸収し、義歯が欠けたり割れたりするリスクが低くなります。
ご予約・ご相談はこちら:江田あおば歯科・矯正歯科
ノンクラスプデンチャーのデメリット
メリットの多いノンクラスプデンチャーですが、デメリットも存在します。
治療を選択する前に、しっかりと理解しておくことが大切です。
寿命が比較的短い
ノンクラスプデンチャーの寿命は、一般的に数年程度と言われています。
患者様のお口の状態や、日々のお手入れの状況によって大きく前後しますが、
数年ごとに作り直しが必要になる可能性がある治療法であることは事実です。
保険診療の入れ歯や金属を使った丈夫な入れ歯に比べると、どうしても耐久性は劣る傾向にあります。
柔らかい樹脂という素材の性質が、寿命を縮める原因にもなってしまいます。
毎日の使用で徐々に樹脂が劣化し、変色や弾力性の低下が起こります。
修理や調整が難しい場合がある
従来の保険の入れ歯は、歯が抜けたり欠けたりしても、その部分だけ修理や増設が比較的簡単でした。
しかし、ノンクラスプデンチャーは特殊な樹脂で一体成型されているため、
「後から継ぎ足す」といった修理が難しい(または不可能)という欠点があります。
例えば、支えにしていた別の歯が抜けてしまった場合、今の入れ歯にその歯を追加することは困難で、
基本的に「一から作り直し」になってしまいます。緩みを直す調整(リライニング)も、
素材によっては対応できないことがあります。
噛む力は天然歯には及ばない
見た目の自然さやつけ心地は優秀ですが、「噛む力(咀嚼機能)」に関しては、過度な期待は禁物です。
柔らかい素材のため、強い力がかかると入れ歯自体がたわんでしまい、力が逃げてしまうことがあります。
そのため、硬いお煎餅や、スルメのような弾力のあるものは、噛み切りにくいと感じる場合があります。
「何でもバリバリ噛みたい」という機能を最優先される方には、
インプラントや金属床(金属のフレームを使用した入れ歯)の方が適している場合があります。
保険適用外で費用が高額
ノンクラスプデンチャーは、残念ながら健康保険が適用されない「自費診療」となります。
保険の入れ歯に比べると費用は高額になります。
寿命が数年程度という点や、作り直しが必要になるリスクを考慮し、
コストパフォーマンスに納得できるかが重要な判断基準となります。
当院では、患者様のご予算やご希望に合わせて、最適な治療プランをご提案しています。
費用について詳しくは、カウンセリング時にご説明いたします。
ノンクラスプデンチャーの適応条件

ノンクラスプデンチャーは優れた義歯ですが、すべての患者様に適用できるわけではありません。
特に多数の歯が欠損している場合や、噛む力が強い患者様には適していない場合があります。
クラスプの代わりに樹脂を使用するため、維持力が十分に得られないことがあるため、専門的な診断が必要です。
適応となるケース
ノンクラスプデンチャーは、以下のようなケースに適しています。
- 1本から数本の歯を失った部分入れ歯が必要な方
- 金属のクラスプが目立つことに抵抗がある方
- 金属アレルギーをお持ちの方
- インプラント治療の手術に抵抗がある方
- 審美性を重視される方
適応が難しいケース
一方で、以下のようなケースでは、ノンクラスプデンチャーの適応が難しい場合があります。
- 多数の歯が欠損している場合
- 噛む力が強い方
- 入れ歯を入れる隙間が限られている場合
- 残存歯の状態が不安定な場合
当院では、まず口腔内を確認し、むし歯や歯周病の有無をチェックしたうえで、
ノンクラスプデンチャーが適しているか、あるいは他の治療法が良いかを相談しながら決めていきます。
日本歯周病学会認定医として、科学的根拠に基づいた診断を行い、患者様に最適な治療法をご提案いたします。
ご予約・ご相談はこちら:江田あおば歯科・矯正歯科
ノンクラスプデンチャーを長持ちさせるためのケア方法

ノンクラスプデンチャーを長持ちさせるためには、日々のケアが重要です。
毎日の清掃
入れ歯専用のブラシや洗浄剤を使って清潔に保つことが必要です。通常の歯磨き粉は、
義歯の表面を傷つける可能性があるため、使用を避けるべきです。
食事後は必ず取り外して水で洗い、定期的に歯科医院でメンテナンスを行うことが推奨されます。
夜間の取り扱い
入れ歯を長時間装着していると、歯肉に負担がかかることがあります。
そのため、夜間は外して、歯肉を休めることも大切です。
外した入れ歯は、専用の洗浄剤に浸けておくことで、清潔に保つことができます。
定期的な歯科検診
加齢によるお口の中の変化により、定期的に調整が必要になる可能性があります。
適切なケアを行うことで、ノンクラスプデンチャーの寿命を延ばし、快適に使用することができます。
当院では、予防中心の診療システムを採用しており、定期的なメンテナンスを通じて、
入れ歯を長持ちさせるサポートを行っています。
まとめ
ノンクラスプデンチャーは、金属のバネがなく、審美性に優れた部分入れ歯です。
見た目が自然で目立ちにくく、金属アレルギーの心配もなく、快適な装着感が得られるというメリットがあります。
一方で、寿命が数年程度と比較的短く、修理や調整が難しい場合があり、
保険適用外で費用が高額になるというデメリットも存在します。
どのような治療法にも、必ずメリットとデメリットの両方があります。
大切なのは、ご自身のお口の状態やライフスタイル、ご予算に合わせて、最適な治療法を選択することです。
当院では、1人ひとり丁寧にカウンセリングを行い、
皆様の生涯のお口の健康を守れるような治療を提供し続けることをお約束します。
「痛くない、削らない、抜かない治療」を徹底し、予防中心の診療を通じて、
みなさまが生涯自分の歯で美味しく食べられるようなお手伝いをしていきたいと考えております。
ノンクラスプデンチャーについて、さらに詳しく知りたい方、ご自身に適している詳細はこちら
監修医師
江田あおば歯科・矯正歯科 院長:上田 聡太

https://aoba-ku.jp/medical_list/facilities/6474/interview
経歴
サレジオ学院中学校・高等学校 卒業
東京医科歯科大学 歯学部 歯学科 卒業
神奈川県内 医療法人社団 歯科医院に勤務
神奈川県内 医療法人社団 歯科医院にて院長として勤務
江田あおば歯科・矯正歯科 開院
所属団体
日本歯周病学会 認定医
日本口腔インプラント学会
DFC(Dental Future Conference)
日本インプラント臨床研究会
中野予防歯科研修会
日本歯科医師会
神奈川県歯科医師会
横浜市歯科医師会
青葉区歯科医師会