審美歯科の費用とは?美しい歯を手に入れるための治療法
審美歯科とは、歯や口元の美しさを追求する歯科治療の一分野です。
単に機能回復だけでなく、見た目の美しさにも重点を置いているのが特徴です。
歯の黄ばみや変色、歯並びの乱れなど、口元のコンプレックスを解消し、自信を取り戻すための治療法といえるでしょう。
私たち歯科医師の立場からすると、患者さんの「美しく健康な歯」を実現することは、単なる見た目の改善だけではなく、
精神的な健康にも大きく貢献すると考えています。笑顔に自信が持てることで、人生の質が向上することも少なくありません。
では、審美歯科ではどのような治療が行われるのでしょうか?主な治療法には、ホワイトニング、セラミック治療、ラミネートベニア、
インプラント、矯正治療などがあります。それぞれの特徴と費用相場について詳しく解説していきます。
ホワイトニング治療の種類と費用相場
歯を白くしたいという要望は、審美歯科で最も多い悩みの一つです。ホワイトニングには主に3つの種類があります。
オフィスホワイトニングは、歯科医院で行う即効性のある治療法です。特殊なライトを使用して薬剤を活性化させ、
短時間で効果を実感できます。費用相場は1回あたり1〜3万円程度。
プロの管理下で安全に施術が進められるメリットがありますが、通院が必要で費用が比較的高いというデメリットもあります。
一方、ホームホワイトニングは自宅で専用のマウスピースとジェルを使用する方法です。
費用相場は1セット2〜5万円程度。自宅で好きな時間に行えるメリットがありますが、効果が出るまでに時間がかかるデメリットがあります。あなたはどちらが合っていると思いますか?
デュアルホワイトニングは、オフィスとホームを組み合わせた方法で、効果と持続性を両立できます。最初に歯科医院でオフィスホワイトニングを行い、その後自宅でホームホワイトニングを継続します。
費用相場は5〜8万円程度ですが、最も効果的な方法と言えるでしょう。
私の臨床経験では、短期間で効果を出したい方にはオフィスホワイトニング、
じっくりと白くしたい方にはホームホワイトニングをおすすめしています。特に結婚式や就職面接など、特別なイベント前の患者さんには、デュアルホワイトニングが人気です。
ホワイトニングは保険適用外の自由診療となるため、費用は歯科医院によって異なります。また、歯の状態によっては、事前にクリーニングや虫歯治療が必要になる場合もあるため、まずは歯科医院での相談をおすすめします。
セラミック治療の種類別費用と特徴
セラミック治療は、むし歯や欠けた歯、変色した歯を修復するための治療法です。天然歯に近い見た目と機能性を両立させることができます。
オールセラミックは、金属を一切使わない完全なセラミック素材で作られています。
高い透明度により、天然の歯とほぼ同じ見た目を再現できるため、美しい口元を求める人に好まれています。
費用相場は詰め物が6〜8万円、被せ物は1本あたり8〜22万円です。
自然な見た目や金属アレルギーの心配がない点、長持ちする点、表面の汚れがつきにくいことがメリットです。
しかし素材が柔らかいため、欠けやすいというデメリットもあります。
ジルコニアセラミックは、人工ダイヤモンドに匹敵する硬さがあり、詰め物は4〜8万円、被せ物は1本あたり10〜20万円の費用がかかります。長期間使用しても劣化しにくく、金属アレルギーの懸念がないことに加えて、汚れが付きにくい表面が特徴です。
ただし、オールセラミックよりも色や透明度で劣るほか、過度に硬いため対向歯にダメージを与える可能性があります。オールセラミックと同じように保険は適用外のため費用は高くなります。
メタルボンドは金属冠にセラミックを結合させたもので、長く品質を維持できることが魅力です。費用は一般的に8〜15万円となっています。
私が臨床で感じるのは、前歯の治療にはオールセラミックが最も自然な美しさを実現でき、奥歯など強い力がかかる部分にはジルコニアが適しているということです。患者さんの生活習慣や噛み合わせの状態によっても、最適な素材は変わってきます。
ラミネートベニアの特徴と費用相場
ラミネートベニアは、歯の表面にセラミックの薄い板を接着する治療法です。歯の形や色を改善したい場合に適しています。
歯を大きく削らずに見た目を改善できるため、健康な歯を極力残したい方に人気があります。費用相場は1本あたり9万5千円から15万円程度です。
ラミネートベニアの最大の魅力は、短期間で劇的に歯の見た目を改善できる点です。歯の形や色、隙間などの問題を同時に解決できます。
私が患者さんにラミネートベニアをおすすめするのは、歯の形や色に悩みがあるものの、歯の構造自体は健康な場合です。特に前歯の見た目を短期間で改善したい方に適しています。
ただし、強い力がかかる奥歯や、歯ぎしりの習慣がある方には不向きな場合があります。また、定期的なメンテナンスが必要であることも理解しておく必要があります。
ラミネートベニアは保険適用外の自由診療となるため、使用する材料や歯科医院によって費用が異なります。事前に詳しい説明と見積もりを受けることをおすすめします。
インプラント治療の費用と特徴
インプラント治療は、失った歯の代わりに人工の歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法です。
自然な見た目と機能を回復できる点が最大の魅力です。費用相場は1本あたり30〜50万円程度ですが、骨の状態によっては追加の処置が必要になる場合もあります。
インプラントの大きなメリットは、周囲の健康な歯を削る必要がなく、天然歯のような噛み心地と見た目を実現できる点です。また、入れ歯のようなズレや違和感がなく、固定式なので取り外す手間もありません。
一方で、外科手術が必要であることや、治療期間が長いこと、費用が高額であることなどがデメリットとして挙げられます。
私の臨床経験から、インプラント治療は適切に行われれば長期間にわたって機能し、患者さんの生活の質を大きく向上させる素晴らしい治療法だと考えております。
ただし、全ての方に適しているわけではなく、全身疾患や骨の状態によっては別の治療法を検討する必要があります。
インプラント治療を検討する際は、治療計画や費用、リスク、メンテナンス方法などについて、歯科医師と十分に相談することが重要です。
歯列矯正(マウスピース・ワイヤー)の相場と選び方
歯並びを改善する矯正治療には、主にワイヤー矯正とマウスピース矯正があります。
ワイヤー矯正は、歯にブラケットを装着しワイヤーで牽引する伝統的な方法です。幅広い症例に対応でき、確実な効果が期待できます。費用相場は30〜90万円程度です。
一方、マウスピース矯正は透明なマウスピースを使用するため目立ちにくく、取り外しも可能です。費用相場は50〜120万円程度と、ワイヤー矯正よりも高額になる傾向があります。
どちらの矯正方法が適しているかは、歯並びの状態や生活スタイル、予算によって異なります。例えば、複雑な歯並びの場合はワイヤー矯正の方が効果的なことが多く、見た目を重視する方や取り外しができる方が良い方にはマウスピース矯正が向いています。
私が患者さんに矯正方法を提案する際は、治療の目的や生活環境、予算などを総合的に考慮します。特に成人の方は見た目の配慮が必要なケースが多いため、マウスピース矯正の需要が増えています。
矯正治療は長期間にわたるため、定期的なメンテナンスや調整が必要です。治療開始前に、治療計画や費用、通院頻度などについて詳しく説明を受けることをおすすめします。
審美歯科治療の保険適用について
審美歯科治療は、多くの場合自由診療(保険適用外)となります。これは、保険診療が身体の機能的に「必要な治療」を対象としているのに対し、審美歯科は「美しさを追求する治療」という側面が強いためです。
ただし、一部の治療では保険が適用される場合があります。例えば、前歯のむし歯治療でCAD/CAM冠や硬質レジン前装冠を使用する場合は、条件によって保険適用となることがあります。
CAD/CAM冠は、コンピューターを使って作製する白い被せ物で、保険適用の場合は2〜3万円程度で治療を受けられます。金属アレルギーの方にも適していますが、セラミックに比べると強度が劣り、長期間使用すると変色することがあります。また、プラーク(歯垢)を引き寄せやすい性質もあります。
硬質レジン前装冠は、金属フレームにプラスチックを貼り付けた被せ物で、保険適用の場合は1〜2万円程度です。見た目は透明感に乏しい上に、プラスチック部分が変色したり欠けたりすることがあります。
私の臨床経験では、保険適用の白い歯の治療は、費用を抑えたい方や、応急的な治療として選択されるケースが多いです。長期的な審美性や耐久性を重視する場合は、自由診療のセラミック治療などを検討されることをおすすめしています。
治療方法を選ぶ際は、見た目だけでなく、耐久性や将来的なメンテナンス費用なども考慮することが大切です。
審美歯科治療の費用を抑えるポイント
審美歯科治療は高額になりがちですが、いくつかのポイントを押さえることで費用を抑えることができます。
まず、複数の歯科医院で相談することをおすすめします。同じ治療でも、歯科医院によって費用が異なる場合があります。
ただし、単に安いだけでなく、医師の経験や設備、アフターケアなども考慮して選ぶことが重要です。
次に、治療の優先順位を明確にしましょう。すべての歯を一度に治療するのではなく、気になる部位や必要性が高い部位から段階的に治療を進めることで、一度の支払い額を抑えることができます。
また、医療費控除を活用することも検討してください。年間の医療費が10万円を超えた場合、確定申告によって税金の一部が還付される可能性があります。ただし、純粋に美容目的の治療は医療費控除の対象外となる場合があるため、事前に確認が必要です。
私が患者さんにアドバイスしているのは、長期的な視点で治療計画を立てることです。安価な治療を選んだ結果、数年後に再治療が必要になるケースも少なくありません。初期費用だけでなく、耐久性やメンテナンス費用も含めたトータルコストで考えることが大切です。
審美歯科治療を選ぶ際のポイント
審美歯科治療を受ける際は、以下のポイントに注意して歯科医院を選ぶことをおすすめします。
まず、歯科医師の経験や実績を確認しましょう。審美歯科は技術と経験が重要な分野です。症例写真やビフォーアフターの実例を見せてもらうことで、技術レベルを確認できます。
次に、カウンセリングの充実度をチェックしましょう。良い審美歯科医院では、患者さんの希望や不安をしっかりと聞き、複数の治療オプションを提示してくれます。治療内容や費用、メリット・デメリットなどを丁寧に説明してくれるかどうかは重要なポイントです。
また、使用する材料や設備も確認しておきましょう。高品質な材料や最新の設備を導入している医院では、より精度の高い治療が期待できます。
アフターケアの体制も重要です。審美歯科治療は治療後のメンテナンスが長期的な美しさを保つ鍵となります。定期的なチェックやメンテナンスの体制が整っているかどうかを確認しておきましょう。
私が特に重視しているのは、患者さん一人ひとりに合わせたオーダーメイドの治療計画を提案できるかどうかです。同じ治療法でも、患者さんの歯の状態や生活習慣、予算によって最適な方法は異なります。画一的な治療ではなく、個々の状況に合わせた提案ができる歯科医院を選ぶことをおすすめします。
まとめ:あなたに合った審美歯科治療を見つけよう
審美歯科治療は、歯や口元の美しさを追求するとともに、機能性も重視した総合的な治療です。治療法によって費用や特徴が大きく異なるため、自分に合った方法を選ぶことが重要です。
ホワイトニングは比較的手軽に始められる治療で、1〜8万円程度。セラミック治療は耐久性と美しさを兼ね備えた治療で、1本あたり6〜22万円程度。ラミネートベニアは歯を最小限に削って美しさを実現する治療で、1本あたり9.5〜15万円程度。インプラントは失った歯を機能的・審美的に回復する治療で、1本あたり30〜50万円程度。矯正治療は歯並びを改善する治療で、30〜120万円程度が相場です。
審美歯科治療を検討する際は、単に費用だけで判断するのではなく、治療の目的や自分の優先事項、長期的な視点を持つことが大切です。また、信頼できる歯科医師とのカウンセリングを通じて、自分に最適な治療法を見つけることをおすすめします。
美しい歯は、健康的な生活と自信に満ちた笑顔をもたらします。ぜひ、この記事を参考に、あなたに合った審美歯科治療を見つけてください。
詳しい相談や診断をご希望の方は、ぜひ当院にお越しください。一人ひとりの状態や希望に合わせた最適な治療プランをご提案いたします。
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監修医師
江田あおば歯科・矯正歯科 院長:上田 聡太
https://aoba-ku.jp/medical_list/facilities/6474/interview
経歴
サレジオ学院中学校・高等学校 卒業
東京医科歯科大学 歯学部 歯学科 卒業
神奈川県内 医療法人社団 歯科医院に勤務
神奈川県内 医療法人社団 歯科医院にて院長として勤務
江田あおば歯科・矯正歯科 開院
所属団体
日本歯周病学会
日本口腔インプラント学会
DFC(Dental Future Conference)
日本インプラント臨床研究会
中野予防歯科研修会
日本歯科医師会
神奈川県歯科医師会
横浜市歯科医師会
青葉区歯科医師会