歯周病とは何か?〜なぜ「沈黙の病気」と呼ばれるのか
歯周病は、痛みなどの自覚症状が乏しいまま進行する「サイレント・ディジーズ(静かなる病気)」です。
気づいたときにはすでに歯がグラグラ・ボロボロになっているケースも少なくありません。
歯周病の原因は、歯と歯ぐきの間に蓄積する歯垢(プラーク)に潜む細菌です。
プラーク1mgの中には1億を超える細菌が存在します。これらの細菌が歯肉に炎症を引き起こし、
やがて歯を支える骨(歯槽骨)を溶かしていきます。
歯周ポケット(歯と歯ぐきの間の溝)の深さが4mm以上の場合に歯周病と診断され、
4mm以上の歯周ポケットを持つ人の割合は全体で47.9%にのぼります。
25〜44歳の若い世代でも30%以上が該当します。
歯周病の主な症状は以下の通りです。
- 歯肉からの出血:ブラッシング時に血が出る
- 歯肉の腫れ・赤み:健康な歯肉はピンク色だが、炎症でブヨブヨになる
- 歯ぐきが下がる:歯の根が見えてきた、歯が長くなった気がする
- 歯のグラつき:歯槽骨が溶けて歯がぐらぐらになる
- 口臭:細菌の増殖により強い口臭が発生する
- 噛んだときの痛み:炎症が進行した歯周炎で生じる
歯肉炎の段階であれば、適切なケアで健康な状態に戻せます。
しかし放置して歯周炎へ進行すると、破壊された骨は元に戻らず、最終的には歯を失うことになります。
歯周病を放置するとどんな全身疾患リスクが高まるのか?

歯周病を放置すると、心臓病・脳梗塞・糖尿病・認知症など、命に関わる全身疾患のリスクが大幅に上昇します。
口の中の炎症が血管を通じて全身に波及するためです。
歯周病菌が歯肉の血管から全身に侵入し、各臓器で炎症を起こすことが多くの研究で確認されています。
細菌が死滅した後も「内毒素(エンドトキシン)」が血液中に残り、全身に悪影響を及ぼし続けます。
心臓病・脳卒中との関係〜動脈硬化を加速させる
歯周病がある人は、ない人と比べて心血管疾患になりやすさが約1.2〜1.4倍、
脳梗塞リスクは約2.8倍に高まると報告されています(日本臨床歯周病学会)。
歯周病菌が血管内に入り込むと、血管壁に粥状のプラーク(アテローム性プラーク)が形成されます。
これが動脈硬化を悪化させ、血管が狭くなったり詰まったりして狭心症・心筋梗塞・脳梗塞を引き起こします。
血圧・コレステロール・中性脂肪が高めの方は、歯周病の予防・治療がより重要です。
糖尿病との双方向の悪循環〜互いを悪化させる関係
歯周病は「糖尿病の第6番目の合併症」とも呼ばれ、糖尿病と歯周病はお互いを悪化させる双方向の関係にあります。
糖尿病患者は歯周病になりやすく、リスクが1.7〜1.9倍になるとされています。
一方、歯周病菌の内毒素がインスリンの働きを妨げ、血糖コントロールを悪化させます。
歯周病治療を行うことで、血糖管理の指標であるHbA1c値が改善するという研究結果も出ています。
認知症・アルツハイマー病との関係〜脳にも影響が及ぶ
歯周病がある人は、認知機能低下・認知症のリスクが1.2〜1.5倍程度高まるとメタ解析で報告されています。
歯周病菌の一種であるPorphyromonas gingivalis(P.g菌)が持つ「ジンジパイン」というタンパク質分解酵素が、
アルツハイマー病の原因物質であるアミロイドβの産生を促す可能性が示唆されています(日本臨床歯周病学会)。
認知症が進むと歯磨きや通院が困難になり、歯周病がさらに悪化する「負のループ」も深刻な問題です。
早産・低体重児出産リスク〜妊婦さんは特に注意
歯周病のある妊婦では、早産や低体重児(2,500g以下)出産のリスクが1.5〜2.0倍に高まるとするメタ解析が複数あります。
歯周病菌や炎症性物質が血管を通じて子宮筋に作用し、子宮の収縮を早めることで早産リスクが高まります。
妊娠中は女性ホルモンの影響で歯肉炎になりやすく、
つわりで口腔ケアが難しくなるため、妊娠前・妊娠中の歯科受診が特に重要です。
誤嚥性肺炎・その他の疾患リスク
歯周病菌が誤嚥によって気管支・肺に入ると、高齢者の死亡原因でもある誤嚥性肺炎を引き起こします。
高齢者・要介護者では肺炎リスクが概ね1.5倍前後以上に増えるとされています。
その他にも、歯周病との関連が指摘されている疾患は多岐にわたります。
- 慢性腎臓病:腎機能低下リスクが1.3〜1.6倍
- 関節リウマチ:慢性炎症を共通基盤として関連
- 緑内障:約19万人規模の研究でリスクが約1.2〜1.3倍
- 口腔がん・頭頸部がん:口腔がんリスクが約3.0倍とするメタ解析あり
- 骨粗しょう症・肥満・メタボリックシンドローム
歯がグラグラ・ボロボロになる前に気づくべきサインとは?
歯周病の早期発見のカギは「出血」と「歯ぐきの変化」です。
ブラッシング時の出血は、歯周病菌と白血球が戦っているサインであり、放置してはいけません。
歯周ポケットに細菌が潜り込むと炎症が繰り返され、歯周組織がどんどん破壊されていきます。
以下のサインが1つでも当てはまる場合は、早めの歯科受診をおすすめします。
- 歯磨きのたびに血が出る
- 歯ぐきが赤く腫れている、または下がってきた気がする
- 口臭が気になる、または指摘された
- 歯がグラグラしてきた
- 食事のたびに歯が痛い・噛みにくい
- 歯と歯の間に食べ物が詰まりやすくなった
特に40代以降は要注意です。健康長寿ネットによると、
日本人の40歳以上の約80%が何らかの歯周病に罹患しているとされており、
「自分は大丈夫」という過信が症状の悪化につながります。
歯周病は自覚症状が出にくいため、定期的な歯科検診(半年に1回が目安)で早期発見することが最も重要です。
歯周病の治療はどのように進めるのか?〜放置せず早期対処が重要

歯周病の治療は「歯肉炎」の段階であれば、適切なブラッシング指導とクリーニングで改善が見込めます。
歯周炎に進行した場合は、専門的な処置が必要です。
治療の基本的な流れは以下の通りです。
- 精密検査:歯周ポケットの深さ・出血の有無・レントゲンで骨の状態を確認
- 歯周基本治療:歯石除去(スケーリング)・歯根面清掃(ルートプレーニング)でプラーク・歯石を除去
- ブラッシング指導:患者さん一人ひとりに合った正しい磨き方を習得
- 再評価検査:治療効果を確認し、必要に応じて次のステップへ
- 歯周外科治療:深い歯周ポケットが残る場合に実施(フラップ手術など)
- メインテナンス:定期的なクリーニングと検査で再発を防ぐ
重要なのは、治療後の定期メインテナンスです。歯周病は再発しやすい疾患であり、
治療が終わったからといって安心はできません。
3〜6ヶ月ごとの定期受診が、歯と全身の健康を守る最善策です。
また、糖尿病や心臓病などの全身疾患をお持ちの方は、歯科と内科・かかりつけ医が連携して治療を進めることが重要です。
歯周病治療によって全身疾患の改善が期待できるケースもあります。
予防歯科で歯周病を防ぐには?〜日常ケアとプロケアの組み合わせ

歯周病の予防は「毎日のセルフケア」と「定期的なプロフェッショナルケア」の組み合わせが基本です。
どちらか一方だけでは不十分です。
日常のセルフケアで意識すること
- 正しいブラッシング:歯と歯ぐきの境目を意識して、1本ずつ丁寧に磨く
- デンタルフロス・歯間ブラシの使用:歯ブラシだけでは落とせない歯間のプラークを除去
- 禁煙:喫煙は歯周病の大きなリスク因子。歯ぐきの血流を悪化させ、免疫力を低下させる
- バランスの良い食生活:糖分の多い食事・間食の頻度を減らす
- ストレス管理:ストレスは免疫力を下げ、歯周病を悪化させる
歯科医院でのプロフェッショナルケア
- PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング):専用機器でセルフケアでは落とせない汚れを除去
- スケーリング:歯石を専門的に除去
- 定期検診:3ヶ月に1回を目安に歯周ポケットの深さや骨の状態を確認
日本臨床歯周病学会は「半年に1度は歯科を受診し、生活習慣も含め口腔内のケアを受けるよう」推奨しています。
毎日の食生活を含めた生活習慣を見直し、歯周病を予防することが全身の生活習慣病を予防することにもつながります。
江田あおば歯科・矯正歯科での歯周病治療はどのように受けられるのか?
江田あおば歯科・矯正歯科では、日本歯周病学会認定医が在籍し、予防中心の診療システムで歯周病に対応しています。
「痛くない・削らない・抜かない治療」を徹底し、患者さんの歯を守ることを最優先にしています。
当院は東急田園都市線・江田駅から徒歩1分という便利な立地にあります(神奈川県横浜市青葉区荏田北3-3-1)。
駐車場も4台完備しているため、お車でもお越しいただけます。
初診の流れは以下の通りです。
- カウンセリング:現在のお悩みや気になる症状をじっくりお聞きします
- 精密検査:レントゲン撮影・歯周病検査で現状を正確に把握します
- 治療プランのご提案:患者さん一人ひとりに合ったプランをご説明します
- ご納得いただいてから治療開始:内容にご同意いただいた上で治療を始めます
「歯ぐきが下がってきた気がする」「口臭が気になる」「歯がグラグラしてきた」など、
少しでも気になる症状がある方は、ぜひお早めにご相談ください。
半個室のプライベート空間で、安心してご相談いただけます。
受付時間は月〜土曜日の9:00〜13:00、14:30〜18:00です。
WEB予約(24時間受付)または電話(045-530-3255)でご予約いただけます。
歯周病でお悩みの方は、江田あおば歯科・矯正歯科の歯周病治療ページからお気軽にご相談ください。
日本歯周病学会認定医が、あなたの歯と全身の健康を全力でサポートします。
よくある質問
歯周病は自然に治りますか?
歯周病は自然には治りません。
歯肉炎の段階であれば適切なケアで改善できますが、歯周炎に進行すると溶けた骨は元に戻らず、専門的な治療が必要です。
放置すると歯がグラグラ・ボロボロになり、最終的には抜歯が必要になる場合があります。
歯周病と全身疾患はどのくらい関係していますか?
日本臨床歯周病学会によると、歯周病は心臓病・脳梗塞・糖尿病・認知症・誤嚥性肺炎・早産など、
多くの全身疾患と関連しています。
脳梗塞リスクは約2.8倍、心血管疾患リスクは約1.2〜1.4倍高まるとされており、口腔内だけの問題ではありません。
歯周病の治療はどれくらいの期間かかりますか?
症状の程度によって異なりますが、軽度〜中等度の歯周病であれば2〜3ヶ月程度が目安です。
重度の場合は外科的処置が必要になることもあり、さらに時間がかかります。
治療後も定期メインテナンスが必要です。
歯周病は保険診療で治療できますか?
歯周病の基本的な治療(歯石除去・スケーリング・歯周検査など)は健康保険が適用されます。
江田あおば歯科・矯正歯科でも各種健康保険を取り扱っています。
自由診療の治療内容については、カウンセリング時にご相談ください。
妊娠中でも歯周病治療は受けられますか?
妊娠中でも歯周病治療は受けられます。むしろ歯周病のある妊婦は早産・低体重児出産のリスクが1.5〜2.0倍高まるため、
積極的な治療が推奨されます。
妊娠中の治療に適した時期(安定期)や注意点については、歯科医師にご相談ください。
歯がグラグラしてきたら歯周病ですか?
歯のグラつきは歯周病が進行し、歯槽骨(歯を支える骨)が溶けているサインである可能性が高いです。
ただし、外傷や他の原因の場合もあるため、早急に歯科を受診して精密検査を受けることをおすすめします。
放置すると抜歯が必要になるリスクが高まります。
口臭が強くなったのは歯周病のせいですか?
口臭は歯周病の代表的な症状のひとつです。
歯周病菌が増殖すると揮発性硫黄化合物(VSC)が発生し、強い口臭の原因となります。
口臭を指摘された方や自分で気になる方は、歯周病の可能性を疑い、歯科受診をおすすめします。
歯周病は何歳から気をつければいいですか?
歯周病は20〜30代から始まることもありますが、特に40代以降はリスクが急増します。
花王健康科学研究会のデータによると、25〜44歳でも30%以上が歯周ポケット4mm以上の状態です。
年齢を問わず、定期的な歯科検診(半年に1回)が予防の基本です。
糖尿病があると歯周病になりやすいですか?
はい、糖尿病患者は歯周病になりやすく、リスクが1.7〜1.9倍とされています(日本歯周病学会監修「ペリオブック」)。
また歯周病が糖尿病を悪化させる双方向の関係があるため、糖尿病と診断されたら必ず歯科を受診し、
歯周病の状態を確認することが重要です。
江田あおば歯科・矯正歯科で歯周病の相談はできますか?
はい、当院には日本歯周病学会認定医が在籍しており、
歯周病の精密検査から治療・予防メインテナンスまで一貫して対応しています。
東急田園都市線・江田駅徒歩1分で、WEB予約(24時間受付)または電話(045-530-3255)でご予約いただけます。
結論
歯周病は放置すると歯がグラグラ・ボロボロになるだけでなく、
心臓病・脳梗塞・糖尿病・認知症・早産など命に関わる全身疾患リスクを大幅に高めます。
中高年の90%近くが罹患しているにもかかわらず、自覚症状が出にくいため早期発見が難しい疾患です。
気になる症状が1つでもあれば、すぐに歯科を受診してください。
日本歯周病学会認定医が在籍する江田あおば歯科・矯正歯科(江田駅徒歩1分)で、
精密検査と予防中心の治療を受けることが、歯と全身の健康を守る最善の選択です。
監修医師
江田あおば歯科・矯正歯科 院長:上田 聡太

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経歴
サレジオ学院中学校・高等学校 卒業
東京医科歯科大学 歯学部 歯学科 卒業
神奈川県内 医療法人社団 歯科医院に勤務
神奈川県内 医療法人社団 歯科医院にて院長として勤務
江田あおば歯科・矯正歯科 開院
所属団体
日本歯周病学会 認定医
日本口腔インプラント学会
DFC(Dental Future Conference)
日本インプラント臨床研究会
中野予防歯科研修会
日本歯科医師会
神奈川県歯科医師会
横浜市歯科医師会
青葉区歯科医師会
