歯のクリーニング、どれくらいの頻度で受けるべき?

 

「歯医者でのクリーニングって、どれくらいの頻度で受けるべきなんだろう?」

 

このような疑問を持たれている方は多いのではないでしょうか。歯のクリーニングは、お口の健康を維持するために非常に重要なケアです。しかし、その理想的な頻度については、一人ひとりのお口の状態によって大きく異なります。

 

歯科医院でのプロフェッショナルなクリーニングは、自宅でのセルフケアだけでは取り除けない歯垢や歯石を除去し、お口の健康を守るために欠かせません。適切な頻度でクリーニングを受けることで、虫歯や歯周病のリスクを大幅に減らすことができるのです。

 

あなたに最適なクリーニング頻度とは?

 

 

歯のクリーニングの理想的な頻度は、お一人おひとりのお口の状態やリスク要因によって変わってきます。

 

歯科医師や歯科衛生士は、あなたのお口の状態を詳しく診査した上で、最適なクリーニングの間隔をアドバイスします。一般的な目安としては、3〜6ヶ月に1回程度とされていますが、これはあくまで平均的な数字です。実際には、あなた自身の口腔内環境に合わせた頻度が最も効果的です。

 

では、どのような要素があなたの最適なクリーニング頻度を決めるのでしょうか?主な要因をいくつか見ていきましょう。

 

歯周病リスクに応じた頻度

 

歯周病と診断された方や、そのリスクが高い方は、より頻繁なクリーニングが必要です。

 

歯周病は全身の健康にも影響を及ぼす可能性がある重要な疾患です。歯周病と診断された場合は、1〜2ヶ月に1回の頻度でクリーニングを受けることをお勧めします。歯周病の進行を抑え、健康な歯茎を維持するためには、定期的なプロのケアが欠かせません。

 

歯周ポケット内の歯周病菌は、およそ3ヶ月で元の数まで増えるという研究結果もあります。このため、3ヶ月に1回の定期検診が一般的な目安とされているのです。

 

むし歯リスクに合わせたクリーニング

 

むし歯ができやすい方も、頻繁なクリーニングが推奨されます。

 

むし歯のリスクは個人差が大きく、同じような歯磨き習慣でも、むし歯ができやすい方とそうでない方がいます。もし過去に何度もむし歯の治療を受けた経験がある場合や、甘いものを頻繁に摂取する習慣がある場合は、1〜2ヶ月に1回程度のクリーニングが適しているでしょう。

 

クリーニングと同時に、むし歯のチェックも行えるため、早期発見・早期治療にもつながります。これにより、大きな治療を避け、歯の寿命を延ばすことができるのです。

 

こんな方は要注意!クリーニング頻度を増やすべき状況

 

いくつかの特定の状況では、通常よりも頻繁にクリーニングを受けることが推奨されます。あなたはこれらに当てはまりますか?

 

歯石がつきやすいと言われた方は、2〜3ヶ月に1回のクリーニングをお勧めします。歯石は歯垢(プラーク)が固まったもので、通常の歯磨きでは取り除けません。歯石の表面はザラザラしているため、さらに歯垢が付着しやすくなり、歯周病の原因となります。

 

歯並びが悪い方も注意が必要です。歯と歯の間に汚れがたまりやすく、歯ブラシが届きにくい部分が多いため、1〜3ヶ月に1回のクリーニングが推奨されます。特に歯間の隙間が狭い部分や奥歯は、汚れが蓄積しやすく、むし歯や歯周病のリスクが高まります。

 

タバコを吸う方はどうでしょうか?

 

喫煙者は、タバコの煙に含まれる有害物質が歯に付着し、歯石や歯垢がつきやすくなります。また、タバコのタールが歯に着色を引き起こし、歯周病や口臭の原因にもなります。そのため、1〜3ヶ月に1回のクリーニングが推奨されます。

 

着色汚れが気になる方

 

コーヒーやお茶、赤ワインなど、着色しやすい飲み物をよく飲む方は、2〜3ヶ月に1回のクリーニングが適しています。

 

これらの飲み物に含まれる色素は、時間とともに歯の表面に付着し、黄ばみや変色の原因となります。定期的なクリーニングで、これらの着色汚れを除去し、白く清潔な歯を維持することができます。

 

ただし、この場合は審美目的のクリーニングとなるため、保険が適用されないことがあります。費用面も考慮しながら、クリーニングの頻度を決めることをお勧めします。

 

セルフケアがしっかりできている方の理想的な頻度

 

日々のセルフケアがしっかりできている方は、比較的長い間隔でのクリーニングでも十分な場合があります。

 

毎日のブラッシングに加え、デンタルフロスや歯間ブラシを適切に使用し、食生活にも気を配っている方は、3〜4ヶ月に1回のクリーニングで十分な場合が多いです。

 

ただし、これはあくまで一般的な目安です。最終的には、歯科医師や歯科衛生士の診断に基づいて、あなたに最適な頻度を決めることが大切です。

 

セルフケアがしっかりできているからといって、クリーニングをまったく受けないというのはお勧めできません。どんなに丁寧に歯磨きをしても、歯ブラシでは届かない部分や取り除けない汚れがあるからです。

 

あなたはどのくらいの頻度で歯科クリーニングを受けていますか?

 

もしまだ定期的なクリーニングを受ける習慣がないなら、今日から始めてみませんか?

 

歯科クリーニングで行われること

 

歯科クリーニングでは、具体的にどのようなことが行われるのでしょうか?一般的な流れを見ていきましょう。

 

口腔内検査とカウンセリング

 

まず初めに、歯科医師や歯科衛生士があなたのお口の中を詳しく検査します。むし歯や歯周病の有無、歯石の付着状況、歯の揺れ具合などをチェックし、現在の口腔内の健康状態を確認します。

 

この検査結果に基づいて、あなたに最適なケア方法や、今後のクリーニング頻度についてアドバイスが行われます。また、自宅でのセルフケアについても、具体的な指導があります。

 

専門的な歯垢・歯石の除去

 

 

検査の後は、専門の器具を使って歯垢や歯石を丁寧に除去していきます。

 

歯垢は柔らかい細菌の塊ですが、放置すると石灰化して歯石となります。歯石は通常の歯ブラシでは取り除けないため、専門的なクリーニングが必要です。

 

歯科衛生士は、スケーラーと呼ばれる器具を使って、歯と歯茎の境目や歯と歯の間に付着した歯石を慎重に取り除きます。また、超音波スケーラーを使用する場合もあります。

 

PMTC(専門的機械的歯面清掃)

 

歯石を除去した後は、PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)と呼ばれる専門的な歯面清掃が行われることがあります。

PMTCでは、特殊な機器と研磨剤を使って、歯の表面に付着した着色汚れやバイオフィルム(細菌の膜)を徹底的に除去します。これにより、歯の表面がツルツルになり、新たな汚れが付きにくくなります。

 

PMTCは、歯ブラシでは落としきれないバイオフィルムを除去することで、むし歯や歯周病の予防に効果的です。また、歯の表面がきれいになることで、見た目の美しさも向上します。

 

フッ素塗布

 

クリーニングの最後には、フッ素を塗布することが多いです。

 

フッ素は歯質を強化し、むし歯の予防に効果的です。特に子どものむし歯予防に有効ですが、大人でも歯の再石灰化を促し、むし歯予防に役立ちます。

 

フッ素塗布は短時間で終わり、痛みもありません。塗布後は、一定時間(通常30分程度)飲食を控えることで、効果を最大限に発揮します。

 

歯科クリーニングの効果と重要性

 

定期的な歯科クリーニングには、どのような効果があるのでしょうか?その重要性について詳しく見ていきましょう。

 

むし歯と歯周病の予防

 

歯科クリーニングの最も重要な効果は、むし歯と歯周病の予防です。

 

歯垢は細菌の塊であり、むし歯の原因となります。また、歯石が溜まると歯茎に炎症を引き起こし、歯周病へと進行する可能性があります。定期的なクリーニングでこれらを除去することで、お口の健康を守ることができます。

 

スウェーデンで行われた30年間にわたる研究では、定期的な予防プログラム(セルフケア指導と専門的なクリーニング)に参加した人々は、30年間で新しくできたむし歯の数が平均してわずか1〜2本だったという驚くべき結果が報告されています。

 

この研究は、正しいセルフケアと定期的なプロのケアを継続することで、お口の健康を長期間維持できることを科学的に証明しています。

 

口臭の予防と改善

 

歯垢や歯石は口臭の原因となります。定期的なクリーニングで、これらを除去することで、口臭を効果的に予防・改善することができます。

 

特に、歯周ポケットに溜まった細菌は強い口臭の原因となるため、定期的なクリーニングで除去することが重要です。

 

口臭が気になる方は、まず歯科医院でのクリーニングを受けてみることをお勧めします。口臭の原因が歯周病などの口腔内の問題である場合、クリーニングと適切な治療で改善することが多いです。

 

歯の見た目の改善

 

コーヒーや紅茶、タバコなどによる着色汚れ(ステイン)は、歯の見た目に大きく影響します。定期的なクリーニングで、これらの着色汚れを除去することで、歯本来の白さと輝きを取り戻すことができます。

 

特に、PMTCでは専用の研磨剤を使って着色汚れを効果的に除去するため、クリーニング後は歯の表面がツルツルになり、見た目も美しくなります。

 

美しい笑顔は、対人関係や自信にも良い影響を与えます。定期的なクリーニングで、健康で美しい歯を維持しましょう。

 

全身の健康への影響

 

お口の健康は、全身の健康と密接に関連しています。

 

歯周病菌は血流に乗って全身に運ばれ、心臓病や糖尿病、認知症などのリスクを高める可能性があることが、近年の研究で明らかになっています。定期的なクリーニングでお口の中の細菌をコントロールすることは、全身の健康を守ることにもつながるのです。

 

特に、糖尿病や心臓病などの持病がある方は、お口の健康管理がより重要となります。主治医と歯科医師が連携して、適切なケアを行うことが理想的です。

 

まとめ:あなたに最適なクリーニング頻度を見つけよう

 

歯のクリーニングの理想的な頻度は、一人ひとりのお口の状態やリスク要因によって異なります。一般的な目安としては以下のようになります:

 

  • 歯周病と診断された方:1〜2ヶ月に1回
  • むし歯ができやすい方:1〜2ヶ月に1回
  • 歯石がつきやすい方:2〜3ヶ月に1回
  • 着色汚れが気になる方:2〜3ヶ月に1回
  • セルフケアがしっかりできている方:3〜4ヶ月に1回

 

ただし、これはあくまで一般的な目安です。最終的には、歯科医師や歯科衛生士の診断に基づいて、あなたに最適な頻度を決めることが大切です。

 

定期的なクリーニングは、むし歯や歯周病の予防、口臭の改善、歯の見た目の向上など、多くのメリットがあります。また、早期発見・早期治療によって、大きな治療を避け、歯の寿命を延ばすことができます。

 

お口の健康は全身の健康にも影響します。定期的なクリーニングで、健康な歯と笑顔を長く維持しましょう。

 

当院では、一人ひとりのお口の状態に合わせた最適なクリーニングプランをご提案しています。クリーニングに関するご質問や不安がございましたら、お気軽にご相談ください。

 

健康な歯で、美味しく食事を楽しみ、素敵な笑顔で毎日を過ごしましょう。

 

詳しくは江田あおば歯科・矯正歯科までお問い合わせください。駅から徒歩1分、土曜日も診療しております。

 

監修医師

 

江田あおば歯科・矯正歯科 院長:上田 聡太

 

 

https://aoba-ku.jp/medical_list/facilities/6474/interview

 

経歴

サレジオ学院中学校・高等学校 卒業
東京医科歯科大学 歯学部 歯学科 卒業
神奈川県内 医療法人社団 歯科医院に勤務
神奈川県内 医療法人社団 歯科医院にて院長として勤務
江田あおば歯科・矯正歯科 開院

 

所属団体

日本歯周病学会
日本口腔インプラント学会
DFC(Dental Future Conference)
日本インプラント臨床研究会
中野予防歯科研修会
日本歯科医師会
神奈川県歯科医師会
横浜市歯科医師会
青葉区歯科医師会