根管治療は、大きく分けて2つあります。
抜髄とは、むし歯が大きく進行し神経に到達したり、歯に亀裂が入ったりした場合、歯の神経が細菌感染により炎症を起こし、強い痛みが生じてしまうため、それらを防ぐために神経を取り除く処置のことを言います。
感染根管とは、歯の根の中に細菌が侵入し繁殖した状態のことを言います。その細菌によって膿が産生され、根の先から溢出し周囲の組織に広がり、歯を支えている骨を溶かしてしまうこともあります。
感染根管になる原因は、下記のように多岐に渡ります。
1. 被せ物・詰め物・土台などを除去します
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2. まずはむし歯を徹底的に除去し、次に、根管内から細菌がいなくなるまで、炎症が取れるまで、専用の器具や薬品で殺菌や消毒を行います。(感染の状態により回数は変わります)
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3. 炎症がないこと、無菌化などが確認できたら、根の先まで隙間のないように緊密に最終的な薬を詰めることで、根の治療は終了します。
かつて神経を取った歯の根が再感染を起こし、再治療が必要なことがあります。
まず通常の根の治療を行います。その中で、以前の処置による歯の穿孔(根の深いところで穴が開いている)などが原因である場合、MTAセメントなどを使用して同部位を緊密に閉鎖したり、必要に応じて外科的な処置を行うことなどもあります。
感染により歯を支える骨が大きく溶かされ、治癒の期待が見込めない場合や、隣の歯を支える骨までも溶かしてしまうような場合は、残念ながら抜歯になってしまうこともあります。
処置後、治療による刺激によって数日から1週間ほど、疼くような痛みを感じることがあります。少し違和感がある程度でしたら、様子を見ていただいて構いませんが、もし痛みがとても強い場合(痛くてその場所では噛めない、何もしなくてもズキズキ痛む)は、追加の処置が必要になる場合がありますので、遠慮なく当院までご連絡ください。
炎症が周囲に大きく広がり、骨が大きく溶かされ、根管治療を行っても治癒しない場合や歯根嚢胞などがある場合に、感染部位を外科的に取り除く処置を行うことがあります。
歯根端切除術といい、原因となる根の先3mm部分を外科的に切除し、周囲の感染部位や病変の摘出を行うことで、歯の保存を図る処置のことを言います。
根の形態は様々で複雑であるため、場合によりCT撮影を行い、通常のレントゲンでは認識できない病巣の範囲や問題点を3次元的に把握することもあります。
また、マイクロスコープと呼ばれる高倍率の歯科用顕微鏡を用いることにより、患部を20倍以上に拡大し、難治性の感染根管の深部に対してより精密にアプローチすることも可能です。
治療の際ラバーダムというゴムのシートを歯に被せて治療することにより、治療中に根管内に細菌が侵入し、再感染することを防ぐことができます。