歯周病の歯石除去はなぜ痛いのか?

 

歯石除去が痛む最大の原因は、歯ぐきの炎症です。

健康な歯ぐきは弾力があり、器具が触れても痛みや出血はほとんど生じません。

しかし歯周病が進行すると歯ぐきが炎症を起こして敏感になり、わずかな刺激でも痛みや出血が起こりやすくなります。

 

日本歯周病学会(2024年)によると、「歯ぐきの検査や歯石除去の際に器具の先端が炎症を起こして敏感になっている歯肉に触れると、違和感や痛みを感じることがある」と明記されています。

つまり痛みは炎症の程度に比例するため、炎症が強いほど処置中の不快感も大きくなります。

 

もう1つの要因は歯周ポケットの深さです。

歯周病が進行すると歯ぐきと歯の間の溝(歯周ポケット)が深くなり、器具をより深く挿入する必要があります。

深い部位への処置は浅い部位よりも刺激が大きく、痛みを感じやすくなります。

 

 

歯石除去の種類によって痛みの程度は変わるのか?

 

 

 

 

歯石除去には「スケーリング」と「SRP(スケーリング・ルートプレーニング)」の2種類があり、痛みの程度は大きく異なります。

歯ぐきより上の歯石を取る「スケーリング」は比較的痛みが少なく、多くの場合は麻酔なしで行えます。

一方、歯ぐきの中(歯周ポケット内)の歯石を取る「SRP」は深部への処置が必要なため、麻酔を使うのが一般的です。

 

スケーリング(歯ぐきより上の歯石除去)

 

超音波スケーラーや手用スケーラーを使い、目に見える範囲の歯石を除去します。

炎症が軽度であれば痛みはほとんどなく、歯石が少ない方は1〜2回で終わることが多いです。

ただし超音波スケーラーは振動で歯がしみることがあります。

 

SRP(歯ぐきの中の歯石除去)

 

歯周ポケット内の歯石・汚染された根面を除去・平滑化する処置です。

深い歯周ポケットには麻酔を使用して無痛な状態で進めるのが標準的です。

お口の中を複数のブロックに分け、最大6回程度に分けて処置します。

 

SRP後は2〜3日ほど歯ぐきに軽い痛みや違和感が残ることがありますが、これは正常な反応です。

膿が出ていたり重度の炎症がある場合は、処置後に鎮痛薬や抗菌薬が処方されることもあります。

 

 

歯石除去の痛みを軽減するにはどうすればよいか?

 

痛みを軽減する最も確実な方法は、麻酔の使用と早期治療です。

麻酔にはスプレー式(表面麻酔)と注射式があり、症状や希望に応じて選択できます。

日本歯周病学会も「痛みが強いようであれば麻酔を用いる方法もあるので、遠慮なく歯科医師に相談してほしい」と案内しています。

 

  • 表面麻酔(スプレー式):歯ぐきの表面に塗布するタイプ。注射の痛みを和らげる前処置としても使用します。
  • 浸潤麻酔(注射式):深い歯周ポケットへのSRPに使用。麻酔が効けばほぼ無痛で処置できます。
  • 早期治療:炎症が軽いうちに治療を受けることで、痛みの原因そのものを小さくできます。
  • 日常のブラッシング改善:歯ぐきの炎症を抑えることで、次回の処置時の痛みが軽減されます。

 

当院(江田あおば歯科・矯正歯科)では「痛くない・削らない・抜かない治療」を治療方針として掲げており、

処置前に患者さんの不安や痛みへの感受性を丁寧に確認したうえで麻酔の方法を選択しています。

痛みが心配な方はお気軽にご相談ください。

 

 

 

歯周病の歯石除去はどのような流れで行われるのか?

 

 

 

 

歯石除去は「検査→ブラッシング指導→スケーリング→SRP」の順で段階的に進みます。

一度の来院ですべてが終わるわけではなく、歯周病の進行度に応じて複数回の通院が必要です。

 

  • 初診・カウンセリング:症状や生活習慣を確認します。
  • 歯周病検査・レントゲン撮影:歯周ポケットの深さを1本ずつ測定し、骨の状態を確認します。
  • ブラッシング指導日本歯周病学会は「歯周病治療の中心はブラッシングによるプラーク除去」と明示しており、セルフケアの習得が治療の土台です。
  • スケーリング(歯ぐきより上の歯石除去):超音波スケーラーや手用スケーラーで歯の表面の歯石を除去します。
  • SRP(歯周ポケット内の歯石除去):麻酔下で歯周ポケット内の歯石・汚染根面を除去・平滑化します。
  • 再評価検査:治療効果を確認し、必要に応じて外科処置を検討します。
  • 定期メンテナンス:日本歯周病学会は年3〜4回の定期的な歯石除去を推奨しています。

 

歯石除去の費用はどのくらいかかるのか?

 

保険適用の歯石除去は、初診時の3割負担で約3,000円が目安です。

その後、歯ぐきの中の歯石除去(SRP)に進むと1回あたり1,000〜2,000円程度が追加でかかり、

合計6〜10回の通院が必要になることもあります。

 

  • 保険適用(3割負担):初診約3,000円、SRP1回あたり約1,000〜2,000円
  • 自費診療:全顎の歯垢・歯石除去+仕上げで5万〜20万円程度(医院により異なる)

 

第一三共ヘルスケア「おくちカレッジ」によると、保険適用の場合は治療時間や方法に制限があるため、

一度で徹底的な歯石除去を希望する場合は自費診療が適している場合もあります。

歯周病が重症化するほど通院回数が増え、費用も高くなるため、早期発見・早期治療が経済的にも有利です。

 

 

 

歯石を放置するとどうなるのか?

歯がグラグラ・ボロボロになるリスクは?

 

歯石を放置すると歯周病が進行し、最終的に歯がグラグラして抜け落ちるリスクがあります。

歯石の表面は非常にざらついており、細菌の巣となって歯周ポケット内で増殖し続けます。

増殖した細菌が歯を支える骨(歯槽骨)を溶かすことで、歯がグラグラ・ボロボロになっていきます。

 

高木歯科クリニックの情報によると、30歳以上の成人の約80%が歯周病にかかっており、歯の喪失原因の第1位が歯周病です。

歯周病は初期〜中期にはほとんど痛みがなく進行するため、気づいたときには重症化していることが少なくありません。

 

  • 歯肉炎:歯ぐきが赤く腫れ、ブラッシング時に出血する段階。骨への影響はまだない。
  • 軽度〜中等度歯周炎:歯周ポケットが深くなり、骨が少しずつ溶け始める。
  • 重度歯周炎:骨の吸収が進み、歯がグラグラする。放置すると抜歯が必要になる。

 

また、歯周病は口腔内だけの問題ではありません。

日本歯周病学会「歯周病と全身と健康2025」では、歯周病と糖尿病・心疾患・誤嚥性肺炎などの全身疾患との関連が報告されています。

歯がボロボロ・グラグラになる前に、早めの受診が重要です。

 

 

歯石除去後に気をつけることは何か?

 

 

 

歯石除去後は歯ぐきが引き締まる過程で一時的な知覚過敏や食べ物の詰まりが起こりやすくなります。

これは治療が正しく行われた証拠であり、時間とともに落ち着いていきます。

 

  • 知覚過敏:歯石のコーティングが取れるため、冷たいものがしみることがある。数週間で改善することが多い。
  • 歯と歯の隙間が広がる:炎症が治まり歯ぐきが引き締まると歯が長く見えたり、食べ物が挟まりやすくなる。歯間ブラシの使用を推奨。
  • 2〜3日の軽い痛み:SRP後は歯ぐきに軽い痛みが残ることがあるが、基本的に薬で抑えるほどの痛みは出ない。
  • 定期メンテナンスの継続:歯垢・歯石は再び付着するため、年3〜4回の定期的なクリーニングが不可欠。

 

歯周病は高血圧などと同様に「完治」はなく、進行・悪化を防ぐ継続的な管理が必要な疾患です。

日々のブラッシングと定期的なプロフェッショナルケアを組み合わせることが、歯を長く守る最善策です。

 

歯周病の歯石除去に不安を感じている方、歯がグラグラ・ボロボロで悩んでいる方は、ぜひ一度ご相談ください。

江田あおば歯科・矯正歯科は東急田園都市線江田駅徒歩1分、日本歯周病学会認定医が在籍し、「痛くない・削らない・抜かない治療」を徹底しています。

半個室の診療室でプライバシーに配慮した環境で、患者さんのペースに合わせた丁寧な治療を提供しています。

江田あおば歯科・矯正歯科 歯周病のページからWEB予約(24時間受付)または電話(045-530-3255)でお気軽にご予約ください。

 

よくある質問

 

歯石除去は毎回痛いのですか?

 

炎症が治まるにつれて痛みは軽減されます。初回は歯ぐきの炎症が強く痛みを感じやすいですが、定期的にメンテナンスを続けることで歯ぐきが健康になり、2回目以降は痛みが出にくくなります。

 

歯石除去に麻酔は使えますか?

 

はい、使用できます。日本歯周病学会も「痛みが強い場合はスプレー式・注射式の麻酔を使う方法がある」と案内しており、遠慮なく歯科医師に相談することを推奨しています。

 

歯石除去は何回通院が必要ですか?

 

歯周病の進行度によって異なります。軽度(歯肉炎)なら1〜2回で終わることもありますが、中等度〜重度の歯周炎では歯周ポケット内のSRPが必要となり、合計6〜10回程度の通院が目安です。

 

歯石除去後に歯がしみるのはなぜですか?

 

歯石が取れることで歯の根面が露出し、一時的に知覚過敏が起こることがあります。通常は数週間で改善しますが、症状が強い場合は歯科医師に相談してください。

 

歯周病で歯がグラグラしている場合でも歯石除去はできますか?

 

できます。歯がグラグラしている状態でも歯石除去・SRPは行えます。炎症を取り除くことで歯ぐきが引き締まり、グラつきが改善するケースもあります。重度の場合は外科処置が必要になることもあります。

 

歯石は自分で取れますか?

 

自分での除去は非常に危険です。市販の器具では健康な歯を削ったり歯ぐきを傷つけたりするリスクがあります。歯石除去は必ず歯科医院で行いましょう。

 

歯石除去の保険適用の費用はいくらですか?

 

3割負担の場合、初診時は約4,000円が目安です。その後のSRP(歯ぐきの中の歯石除去)は1回あたり約1,000〜2,000円程度が追加でかかります。

 

歯石除去はどのくらいの頻度で受けるべきですか?

 

日本歯周病学会は年3〜4回を推奨しています。歯石の付きやすさには個人差があるため、かかりつけ歯科医に自分に合った間隔を確認することが大切です。

 

歯周病の歯石除去と普通のクリーニングは違いますか?

 

異なります。通常のクリーニング(スケーリング)は歯ぐきより上の歯石除去ですが、歯周病治療のSRPは歯周ポケット内の深部まで処置します。麻酔を使い、複数回に分けて行う点が大きな違いです。

 

歯石除去後に口臭は改善しますか?

 

改善することが多いです。歯周ポケット内の細菌・歯石が口臭の原因となるため、SRPで細菌を除去することで口臭が軽減されます。ただし完全な改善には定期的なメンテナンスの継続が必要です。

 

 

結論

 

歯周病の歯石除去は炎症が強いほど痛みが出やすいですが、麻酔を使えばほぼ無痛で処置できます。

歯がグラグラ・ボロボロになる前に早期治療を受けることが、痛み・通院回数・費用の3つをまとめて抑える最善策です。

治療後は年3〜4回の定期メンテナンスを継続し、日々のブラッシングと組み合わせることで歯周病の進行を防ぎましょう。

痛みが不安な方は、まず日本歯周病学会認定医に相談することをおすすめします。

 

 

監修医師

 

江田あおば歯科・矯正歯科 院長:上田 聡太

 

 

https://aoba-ku.jp/medical_list/facilities/6474/interview

 

経歴

 

サレジオ学院中学校・高等学校 卒業
東京医科歯科大学 歯学部 歯学科 卒業
神奈川県内 医療法人社団 歯科医院に勤務
神奈川県内 医療法人社団 歯科医院にて院長として勤務
江田あおば歯科・矯正歯科 開院

 

所属団体

 

日本歯周病学会 認定医
日本口腔インプラント学会
DFC(Dental Future Conference)
日本インプラント臨床研究会
中野予防歯科研修会
日本歯科医師会
神奈川県歯科医師会
横浜市歯科医師会
青葉区歯科医師会