歯周病で抜歯と言われたら確認したいこと|「残せるかどうか」を相談の場で判断するための質問と、残す治療で患者側に求められること

歯周病で「この歯は抜いたほうがよい」と言われると、驚きや戸惑いが先に立ち、理由を十分に聞けないまま帰ってきてしまうことがあります。抜歯を勧める理由は歯ごとに異なり、残せるかどうかも検査の結果によって変わります。
この記事でわかること
- 抜歯を勧められる主な背景と、説明を受けたときにメモしておきたい項目
- 「検査結果」「残す場合」「抜く場合」に分けて整理した、歯科医院で聞いておきたい質問
- 歯を残す治療の進み方(歯周基本治療から再評価まで)と、患者さん自身が取り組むこと
目次
気になる点は、診察で確かめられます江田あおば歯科矯正歯科では歯周基本治療(SRP)のご相談を受け付けています。WEBからご都合のよい日時を選べます。
「抜歯」と言われた理由は歯ごとに違うため、まず説明の中身を整理しておく
歯周病で「この歯は抜いたほうがよい」と説明を受けると、驚きや戸惑いが先に立ち、理由を十分に聞き取れないことがあります。抜歯を勧める理由は一つとは限らず、同じ歯周病でも歯ごとに事情が異なります。まずは、説明がどの点に基づいていたのかを整理しておくと、次の相談で落ち着いて話を進めやすくなります。
抜歯を勧められる主な背景
歯科医師が抜歯を提案するときは、主に次のような点を組み合わせて検討しています。
歯周病が進むと、歯を支える骨(歯槽骨)が減っていくことがあります。どの範囲で骨が失われているかは、レントゲンや歯科用CTで確認します。
支えが少なくなると、歯が揺れやすくなることがあります。揺れが噛むときの痛みや食べにくさにつながっているかどうかも、説明の中で触れられることがあります。
歯ぐきの腫れや出血、膿が出る状態が続いているかどうかも、判断材料の一つです。
その歯の周りの炎症や骨の減少が、隣り合う歯の支えにも関わっていると説明されることがあります。
その歯が噛む力をどの程度受け持っているか、お口全体の治療計画の中でどのような位置づけになるかも検討されます。
説明を受けた内容をメモしておく項目
理由が一つの場合もあれば、いくつかの理由が重なっている場合もあります。説明を受けたら、次の項目を書き留めておくと、改めて質問するときに話を進めやすくなります。
- ✓抜歯を勧められた歯の位置(どの歯か)
- ✓理由として挙げられた点(骨の状態・揺れ・炎症や膿・隣の歯への影響・噛み合わせの中での役割など)
- ✓どの検査(歯周ポケット検査、レントゲン、歯科用CTなど)の結果をもとに説明されたか
- ✓抜歯以外の選択肢について話があったか
- ✓自分が気になっていること、聞きそびれたこと
歯科医院で聞いておきたい質問を「検査結果」「残す場合」「抜く場合」に分けて整理する

相談の場では、限られた時間の中で説明を受けることになります。あらかじめ質問を「検査結果」「残す場合」「抜く場合」の三つに分けておくと、聞きたいことを漏らさず確認しやすくなります。答えは歯の状態によって変わるため、一般論ではなくご自身の歯についての説明を求めることが大切です。
検査結果について確認すること
抜歯かどうかの判断は、いくつかの検査結果を組み合わせて行われます。それぞれの検査で何が分かったのかを聞いておくと、説明の根拠を理解しやすくなります。
| 検査 | 確認したいこと |
|---|---|
| 歯周ポケット検査 | 歯と歯ぐきの境目の溝が、その歯のどの面でどのような状態か。出血はあるか |
| レントゲン | 歯を支える骨がどの範囲で減っているか。以前の記録があれば、そこからどう変化しているか |
| 歯科用CT | レントゲンでは分かりにくい骨の形や、歯の根の周りの状態について何が分かったか |
歯を残す場合に確認すること
- ✓どの治療をどの順番で進める予定か(歯周基本治療から始めるのか、その後に歯周外科手術や歯周組織再生療法を検討する可能性があるのか)
- ✓どの時点で再評価を行い、その結果によって方針が変わる可能性があるか
- ✓治療中、自分のセルフケアで求められることは何か
- ✓治療後に歯を保つため、どのような管理や定期的な通院が必要か
- ✓自由診療となる治療を検討する場合、その治療の費用と主なリスク
治療期間や通院回数は、治療内容や経過によって個人差があります。検査のうえで担当医からお伝えします。
抜歯する場合に確認すること
抜歯を選ぶ場合は、抜いた後にどのように噛む機能を補うかも合わせて考えておく必要があります。当院で扱っている選択肢には、インプラントや入れ歯(義歯・ノンクラスプデンチャー)などがあります。それぞれについて、次の点を確認しておくと比べやすくなります。
| 選択肢 | 確認したいこと |
|---|---|
| インプラント | 骨の量が足りているか。骨造成などの追加処置が必要になりそうか。治療後に自分で行う手入れや通院の必要性 |
| 入れ歯(義歯) | 周りの歯にどのような負担がかかるか。装着の仕方や日々の手入れの方法 |
| 共通 | 抜歯後、次の治療に進むまでの間をどのように過ごすか。周りの歯の歯周病の状態が選択肢に関わるか |

上田 聡太(院長)
抜歯と言われた歯について相談にいらした方には、まず検査結果を一緒に見ながら、どの点が判断の材料になっているのかをお伝えするようにしています。残す場合も抜く場合も、ご自身が納得して選べるよう、気になることは遠慮なく質問していただければと思います。
歯を残す治療は段階的に進み、再評価の結果で方針を見直すことがある
歯周病で「抜歯」と言われた歯を残す方向で治療を進める場合でも、すぐに手術や特別な処置を行うわけではありません。一般的には、まず歯周病の原因を取り除く基本的な治療を行い、その結果を確認してから次の方針を決めるという順番で進みます。ここでは、それぞれの段階の順番と目的に絞って整理します。
歯周基本治療から再評価までの流れ
- 1
歯周基本治療(SRP)
歯ぐきの中の歯の根の表面についた歯石や汚れを取り除き、炎症の原因を減らすことを目的とした治療です。あわせて、ご自身での磨き方も確認していきます。歯周基本治療は保険適用です。
- 2
再評価
歯周基本治療のあとに、歯周ポケットの深さ、出血の有無、歯の揺れなどをあらためて検査し、治療前と比べてどのように変化したかを確認します。この結果が、その後の方針を決める材料になります。
- 3
次の方針の検討
再評価の結果をもとに、引き続き経過をみるのか、追加の治療を検討するのかを担当医と相談します。
再評価のあとに検討される治療
再評価で深い歯周ポケットが残っている場合などには、次のような治療を検討することがあります。どちらを選ぶか、あるいはどちらも行わないかは、検査結果をふまえて判断します。
| 治療 | 目的 |
|---|---|
| 歯周外科手術 | 歯ぐきを開いて、歯周基本治療では届きにくい深い部分の歯石や炎症のある組織を取り除くことを目的とします。症例により保険診療・自由診療に分かれます。 |
| 歯周組織再生療法 | 歯周病で失われた歯を支える組織の再生を目指す治療です。自由診療(保険適用外)となります。 |
方針が途中で変わる場合があること
歯を残すことを目標に治療を始めても、再評価の結果によっては、残す・抜くの方針を見直すことがあります。反対に、治療前は判断が難しかった歯が、再評価の結果をみて残す方向で治療を続けられる場合もあります。方針が変わるときは、どの検査結果をもとにそう判断したのかを確認しておくと、納得して次の選択をしやすくなります。
治療期間:お口の状態や進行度によって個人差があります。歯周病の広がり方や、再評価のあとに追加の治療が必要になるかどうかで進み方が変わるためです。検査のうえで担当医からお伝えします。通院回数も、治療内容や経過によって個人差があります。検査のうえで担当医からお伝えします。

上田 聡太(院長)
再評価は、治療の効果を確かめると同時に、その歯を残すためにこれから何が必要かを一緒に考え直す機会だと考えています。方針を変える必要があるときも、検査結果を見ていただきながら理由をお伝えするようにしています。
あわせて読みたい
ここまでの内容を、ご自身の状態に当てはめて確認したいときは口の中を見ないと分からないことが多い部分です。検査のうえで担当医からご説明します。
歯を残す選択をしたときに、患者さん自身が取り組むこと
歯を残す治療を選んだ場合、治療の結果は歯科医院での処置だけでなく、毎日のセルフケアや通院を続けられるかどうかにも左右されます。ここでは、治療を進めるうえで患者さん自身が取り組むことを、判断の材料として整理します。
セルフケアと磨き方の確認
歯周病の治療で歯石や汚れを取り除いても、日々の磨き残しが続くと、再び炎症が起こりやすくなります。歯並びや歯ぐきの状態、治療した部位によって磨きにくい場所は人それぞれ異なるため、当院ではブラッシング指導(TBI)で、ご自身のお口に合った磨き方を一緒に確認しています。
- ✓自分が磨き残しやすい場所はどこか
- ✓歯と歯ぐきの境目や歯と歯の間をどう磨くか
- ✓歯ブラシ以外の清掃用具が必要かどうか
- ✓治療した部位で特に気をつけることはあるか
通院を続けることの意味
症状が落ち着いたように感じても、歯ぐきの奥の状態は見た目だけでは分かりません。予定していた治療や再評価を受けずに中断すると、方針を判断するための材料がそろわなくなります。通院が難しくなりそうなときは、早めに担当医に伝えておくと、進め方を相談しやすくなります。
治療が一区切りしたあとも、定期検診で歯ぐきや歯を支える骨の状態を確認していく流れになります。受診の間隔はお口の状態によって個人差があります。検査のうえで担当医からお伝えします。
全身の状態との関係
歯周病は、お口の中だけでなく、喫煙や糖尿病といった全身の状態との関わりについても情報が示されています。これらは治療の進み方に関係することがあるため、喫煙の有無や、糖尿病などの持病、服用しているお薬については、相談の際に担当医へお伝えください。
全身の状態について知っておくことは、ご自身を責めるためではなく、治療の見通しを担当医と共有し、無理のない形で取り組みを続けるための材料になります。持病の治療を受けている方は、かかりつけの医師にも歯周病の治療を受けていることを伝えておくと安心です。
江田あおば歯科矯正歯科で「抜歯と言われた歯」について相談するときの進め方
江田あおば歯科矯正歯科では、予防を中心とした診療の中で、歯をできるだけ削らず・抜かずに残すことを大切にしています。一方で、どの歯にも残す治療が適しているとは限りません。抜歯と言われた歯について相談にいらした方には、検査結果をもとに残す場合と抜く場合の両方を説明し、患者様のご意向を伺いながら方針を一緒に決めていきます。
検査とカウンセリングで状態と希望を確認
最初に検診を行い、歯周ポケットの深さや歯の揺れ、炎症の有無を確認します。必要に応じて歯科用CT検査を行い、歯を支える骨の状態を立体的に確認します。当院では歯科用CTと歯科用マイクロスコープを導入しています。
検査のあとは、結果を一緒に見ながら、どの点が判断の材料になっているかをご説明します。相談は個室・半個室の診療室で行い、残したいお気持ちや治療にかけられる通院のご都合なども伺います。
残す治療と抜歯、それぞれの進め方
- 1
検診・歯科用CT検査
歯ぐきや骨の状態を確認し、抜歯と言われた理由を検査結果から整理します。
- 2
説明とカウンセリング
残す場合・抜く場合それぞれの進め方を説明し、ご意向を伺って方針を相談します。
- 3
歯周基本治療(SRP)
残す方向で進める場合は、歯周病の原因となる歯石や汚れを取り除く治療から始めます。保険適用の治療です。
- 4
再評価と次の治療の検討
歯周基本治療の結果を確認し、必要に応じて歯周外科手術や歯周組織再生療法を検討します。結果によっては抜歯を含めて方針を見直すことがあります。
- 5
抜歯した場合の選択肢
抜歯を選んだ場合は、噛む機能を補う方法としてインプラント、入れ歯(義歯)、ノンクラスプデンチャーの中から、お口の状態とご希望に合わせて相談します。
治療期間:お口の状態や進行度によって個人差があります。検査のうえで担当医からお伝えします。通院回数:治療内容や経過によって個人差があります。検査のうえで担当医からお伝えします。

上田 聡太(院長)
抜歯と言われて不安なまま来院される方も多いと思います。残すか抜くかは、検査結果を一緒に確認し、納得していただいたうえで決めることを大切にしています。
WEB予約・ご相談の方法
ご相談は24時間受付のWEB予約から承っています。他院で抜歯と言われた歯についてのご相談も、検査結果や説明を受けた内容のメモをお持ちいただくと話を進めやすくなります。WEB予約:https://apo-toolboxes.stransa.co.jp/user/web/be0e7a792e243d23e9b70c4230f95d6f/reservations
- 東急田園都市線「江田駅」徒歩1分
- 月〜土曜診療
- 個室・半個室の診療室
- 医院前に駐車場4台
- 院長:上田 聡太(日本歯周病学会 認定医)
自由診療に関する必須の明示事項
歯周組織再生療法
費用
77,000〜165,000円(税込) 歯周組織再生療法(エムドゲインなど)77,000円〜165,000円。税込
治療期間
お口の状態や進行度によって個人差があります。検査のうえで担当医からお伝えします。
通院回数
治療内容や経過によって個人差があります。検査のうえで担当医からお伝えします。
主なリスク・副作用
- すべての症例に適応できるわけではない
- 効果に個人差がある
- 術後の腫れ・痛み
保険適用
自由診療(保険適用外)
上記は本記事の作成時点の内容です。治療にかかる期間・通院回数・費用は、お口の状態や治療内容によって一人ひとり異なります。詳細は当院までお問い合わせください(TEL 045-530-3255)。
よくあるご質問
Q.歯周病で抜歯と言われた歯は、残せることがありますか?
歯を残せるかどうかは、歯を支える骨の状態や歯の揺れ、炎症の有無などの検査結果と、治療後の経過によって判断します。残す方向で治療を始めても、すべての歯を残せるとは限りません。
Q.歯周病で抜歯と言われたとき、歯科医院では何を質問すればよいですか?
「検査結果」「残す場合」「抜く場合」の三つに分けて質問すると整理しやすくなります。どの検査で何が分かったのか、残す場合はどの治療をどの順番で進めるのか、抜く場合は抜いた後にどう噛む機能を補うのかを確認してみてください。
Q.歯周病で歯を残す治療は、どのように進みますか?
一般的には、まず歯周基本治療(SRP)で原因を取り除き、再評価で結果を確認します。深い歯周ポケットが残っている場合などには、歯周外科手術や歯周組織再生療法を検討することがあります。どちらを選ぶか、あるいは行わないかは検査結果をふまえて判断します。
Q.歯を残す治療の途中で、抜歯に方針が変わることはありますか?
再評価の結果によっては、残す・抜くの方針を見直すことがあります。反対に、治療前は判断が難しかった歯を、再評価の結果をみて残す方向で続けられる場合もあります。方針を変える際は、検査結果を見ながら理由を説明します。
Q.歯周病の治療期間や通院回数はどのくらいですか?
治療期間はお口の状態や進行度によって個人差があります。通院回数も治療内容や経過によって個人差があります。いずれも検査のうえで担当医からお伝えします。
Q.歯を残す治療のために、自分でできることはありますか?
磨き残しやすい場所や歯間の磨き方を確認してセルフケアを続けること、治療を途中でやめずに通院して状態を確認していくことが挙げられます。喫煙の有無や糖尿病などの持病も治療の進み方に関係することがあるため、担当医に伝えてください。
この記事のまとめ
- 抜歯を勧める理由は一つとは限らず、骨の状態・歯の揺れ・炎症や膿の有無・隣の歯への影響・噛み合わせの中での役割などを組み合わせて検討されます。
- 説明を受けたら、どの歯か、理由は何か、どの検査に基づく判断かを書き留め、「検査結果」「残す場合」「抜く場合」に分けて質問すると整理しやすくなります。
- 歯を残す治療は、歯周基本治療(SRP)から始めて再評価を行い、その結果をふまえて次の方針を検討します。再評価の結果によっては、残す・抜くの方針を見直すこともあります。
- 歯周組織再生療法はすべての歯に行えるわけではなく、効果にも個人差があります。適応は検査のうえで判断します。
- 治療の経過はセルフケアや通院の継続、喫煙や糖尿病などの全身の状態にも関わります。治療期間・通院回数は個人差があるため、検査のうえで担当医からお伝えします。
参考にした情報
- 歯周病の症状(日本歯周病学会)https://www.perio.jp/qa/symptom/
- 歯周病の治療(日本歯周病学会)https://www.perio.jp/qa/treatment/
- 歯周病の原因(日本歯周病学会)https://www.perio.jp/qa/cause/
他院で抜歯と言われた歯についても、検査結果や説明を受けた内容のメモをお持ちいただくと、話を進めやすくなります。ご相談は24時間受付のWEB予約から承っています。
本記事は一般的な情報の提供を目的としたものであり、個別の診断・治療方針を示すものではありません。治療の効果や経過には個人差があります。症状や治療方針については、必ず歯科医師の診察を受けてご確認ください。
最終更新:2026-10-12